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麻雀未経験者が天鳳初段・雀魂雀傑になるまでにやったこと

この記事では、2020年12月から麻雀を始めた自分がオンライン麻雀サイトの天鳳で初段、雀魂で雀傑の段位を取るまでに実施したことや、その過程で気付いたことを書く。自分はまだ初心者の枠から抜けておらず、天鳳の戦績は悲惨なことになっているが、同じような初心者は上達の参考にしてほしい。なお、4人麻雀のみを扱っている。

 

 

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1. ルールを覚える

麻雀のルールと役を覚える 初心者向け入門サイト

最大の障壁。麻雀ほどルールが煩雑で覚えさせる気がないボードゲームは珍しい。自分は上記のサイトでルールを学習し、同サイト内のCPU戦で練習した。さらにCPU戦の様子を、自分を麻雀に誘った麻雀経験者にdiscordの画面共有を通して見てもらい、アドバイスをもらった。*1

前述のサイトは対戦に最低限必要な事項がよくまとまっていてオススメ。最終的には全て把握する必要があるが、最初は以下のように読み飛ばしてOK。

  • 第1章の麻雀牌の名前を正確に覚える必要はない。たとえば「四萬」は4番目のマンズであることが分かれば十分であり、スーワンと読む必要はない
  • 第4章のカンの事項は一旦読み飛ばしてよい。初心者はカンすべきではない
  • 第7章のゲームの進め方のうち、百点棒に関する項目は把握しなくてよい
  • 第8章にある役を全て覚える必要はない
  • 第10章の細かい流局条件は把握しなくてよい
  • 最終章のフリテンは、一見ややこしいが把握する必要がある

強調しておきたいのは役の項目。役を知らないことには何もできないゲームだが、多くの役を覚えるよりも出現率が高い役(リーチ、役牌、タンヤオ、ピンフ、チートイツ、トイトイ、ホンイツ)に絞って確実に覚えることが重要。また、ピンフは成立条件が全ての役の中で最も複雑だが、ピンフの成立を目指すことは初心者が行うべき立ち回りの良い練習になるので、やはり覚えた方がよい。

 

2. 天鳳と雀魂に登録して対人戦をする

自分はまず天鳳に登録して段位戦を行い、その後に雀魂で段位戦をした。しかし、今考えると初心者はまず雀魂で対戦した方が良いと思う。理由は以下の通り。

  • 天鳳は初心者帯のレベルが高い(と思う)
  • 天鳳は雀魂の半分くらいしか持ち時間がない
  • 天鳳は格差マッチングしやすい。一番下のランクの「新人」でも、新人から12ランク上の「三段」と対戦し得る
  • 天鳳はUIが初心者に優しくない。部屋名が略語、テンパイ時の待ちが表示されない、牌を切った後にフリテン表示を出す、一度リーチボタンを押すと取り消しできない、ドラの強調表示が無い。どれもこれも初心者には致命的

というわけで、キャラクターや演出などに抵抗がなければ、まず雀魂で対人戦に慣れるのがオススメ。雀魂導入の参考にできそうなサイトを下に挙げる。なお、雀魂ではボイスやBGMは設定でOFFにでき、ツモ切りをダブルクリックで行うように設定できる。また、画面右上のメニューからチュートリアルを見られる。

https://mahjongsoul.info/miryoku/

 

天鳳は無料のブラウザ版がオススメ。「四般東喰赤」が東風戦、「四般南喰赤」が東南戦。東風戦の方が試合時間が短いので、初心者はこちらを選ぶのがオススメ。実はログイン画面の右上設定メニューから自動アガリをデフォルトでONにできるので、初心者はチェックを入れておこう。また、右クリックでツモ切りできる。

https://tenhou.net/

 

以下は、麻雀を初めて遊ぶ自分にTwitterの相互フォロワーがくれたアドバイス集。参考にしてほしい。

 

3. 狙える役を増やす

天鳳初段・雀魂雀傑は中級者よりも初心者に近いと思われる段位とはいえ、意図的に狙える役がリーチと役牌のみでは心もとない。初級者が狙うべき役を手牌で診断する自作フローチャートと、各種役の解説を載せる。ちなみにフローチャートにある「浮き牌」とは孤立牌のことで、メンツもターツ(あと1枚加えるとメンツになる2枚組)も構成していない牌のこと。*2

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  • ホンイツ
    出現率 5.9%
    数牌のいずれか1種と字牌だけを使うと成立。鳴いても成立する

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    強い3飜役(鳴くと2飜)。ホンイツやチンイツ(ホンイツの字牌無しver.)は待ちが分かりにくくなることが多いが、雀魂なら待ちが表示されるし、天鳳でも少なくともチョンボを犯すことはない。成立条件が分かりやすいお手軽強役なので、初心者でもフローチャートにある条件を満たせば狙うべき。ただし鳴きすぎには注意。


  • トイトイ
    出現率 3.0%
    面子を刻子のみで作ると成立。鳴いても成立する

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    喰い下がりが無い便利2飜役。三暗刻より成立条件が分かりやすく初心者にもオススメ。しかし、鳴きにくい対子だらけでは成就しないし打点もイマイチなので、フローチャートの条件を満たしている場合のみポンして狙っていく。最後に裸単騎にならないように注意。
    ちなみに、面前でアガると四暗刻という役満になることがある。

  • ヤクハイ
    出現率 40.2%
    三元牌、場風牌、自風牌のいずれかを3枚以上揃えると成立。鳴いても成立する

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    たった3枚で成立するコスパの高い役。手が安くなることもあるが、役牌対子があればとりあえずポンして良し。ドラが入っていれば、その後も適度に鳴いて早アガリを目指す。また、テンパイに時間がかかりそうな悪配牌では、重なりに期待して役牌を残す。


  • リーチ
    出現率43.7%
    テンパイ時にリーチを宣言すると成立。宣言後は手牌を変えることができない。鳴くと成立しない

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    最も出現率が高い役。どんな4面子1雀頭でもアガれる貴重な役であり、フローチャートに従うと6,7割くらいの手はリーチに収束するはず。リスクもリターンも大きいが、実は多くの状況ではリターンの方が大きいので初心者はリーチぶっぱで大体OK。リーチ自体は1飜役であるものの一発裏ドラのボーナスがあり、他家の手が遅れることでツモの1飜プラスを狙えるメリットもある。


  • ピンフ
    出現率 19.7%
    雀頭を役牌以外、面子を順子のみで作り、リャンメン待ちでアガると成立。鳴くと成立しない

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    あまりにも成立条件がややこしい初心者殺しの役。しかし、順子で面子を作る、メンゼン限定でリャンメン待ちからアガるなど、初心者が押さえるべき重要な技術が詰まっていて、リーチとの相性も抜群。勘違いしやすいが、客風牌の雀頭は可なので字牌を含めることができる。


  • タンヤオ
    出現率22.0%
    2-8の牌のみを使うと成立。鳴いても成立する

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    順子を使える役の癖に、喰い下がりが無いズルい1飜役(喰いタン無しルールもあるが)。それほどロスなくタンヤオを目指せるならタンヤオに向かえば大体正解リーチやピンフと複合すると美味しいので、中張牌が多い好配牌ではメンゼンで狙う。一方喰いタンは、良い手だがテンパイ速度で負けそうなとき、急所のカンチャンが上家から出たとき、微妙な手だが連荘や逃げ切りのためとにかくアガリたいときなど、色々な場面で使う。初心者は役無しや片アガリや鳴きすぎに陥りがちだが、喰いタンは使えるようにしておくべき。


  • チートイツ
    出現率 2.4%
    対子を7組作ると成立。鳴くと成立しない

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    アメリカ人が考案した2飜役(seven pairs)。成立条件が分かりやすく、絶望的なクズ手牌からも目指せる。ただし、必ず単騎待ちになりアガリにくく、どちらかというと消極的に目指す役。先制テンパイを取れなかったら安牌の対子を崩して潔くオリるべき。なるべく1,9牌や1枚切れの字牌で待ちたいので、リーチをかけるときは慎重に。

4. 書籍で勉強する

自分は天鳳8級くらいになった段階で書籍を使って勉強した。天鳳初段・雀魂雀傑に到達する上で座学は多分必要でないが、ここまでの段階で麻雀というゲームが好きになりそうだと思ったら無駄にはならないはず。ちなみに全部kindle unlimitedに入っているのでお得。

麻雀手役大全 (近代麻雀戦術シリーズ) | ZERO | 趣味・実用 | Kindleストア | Amazon

一番オススメの本。どういう役をどういう場面で狙うかを解説している。「リーチって実は打たない方がいい場面が多いのでは?」と思い始めたら初心者でも読むべきだと思う。役の理解が進んで楽しいし、巻末の用語集もグッド。ちなみに著者はスマブラ4世界最強プレイヤーのZeRoとは別人。

これだけで勝てる! 麻雀の基本形80 | 福地誠 | 趣味・実用 | Kindleストア | Amazon

知り合いからオススメされた初心者向けの本。「これだけで勝てる」とは全然思わないが、基本の強い形を多く取り扱っていて確実に身になる。このような「何切る」系の本はパズルドリルのように軽く読み進められる点も良い。なお、文体はキツい。
 

絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ (マイナビ麻雀BOOKS) | 平澤 元気 | 趣味・実用 | Kindleストア | Amazon

天鳳で無限に4位を取ってから読んだ本。天鳳上位勢向けであり用語解説一切無し、内容は難しめだが、この本の序盤に書いてある内容を意識してから天鳳でも雀魂でも露骨に放銃が減ったのでオススメ。コラムの寄せ集めのような構成であまりまとまっていない所が残念。

 

5. 段位戦で勝って天鳳初段・雀魂雀傑まで上がる

冒頭の画像にある通り、自分は天鳳で東風戦134試合をして初段に、雀魂で東風戦99試合と東南戦5試合をして雀傑まで上がった。役無し裸単騎、空テンリーチ、客風牌と役牌の勘違い、字牌で鳴いた後のタンヤオ狙いなどなど、ありとあらゆる大ミスを経験した。

以下に、初心者が対戦で意識すると良いかもしれないポイントを書く。

  • 天鳳は東風戦、雀魂では東南戦が勝利ポイントの効率上オススメ。自分は好みの関係で東風に絞った

  • 天鳳ではラス回避を意識。ボロボロの点数でも4位さえ避ければ昇段ポイントが減らないので、極論ラス回避だけしていればいつかは昇段する。オーラスで無理して4位に落ちる…なんてことが無いように(自分は沢山やった)

  • 雀魂では順位に加えて打点も意識。天鳳と違い点差も考慮され、1位や2位でも3万点前後ではあまり昇段ポイントが増えない。ほぼ4位確定でも大負けは避ける必要があるし、1位濃厚でもガメられるときはガメる

  • 先制テンパイされたら基本的にオリる。例外は1シャンテン良形高打点くらい。特に初心者帯はオリない人が多いので、リーチ相手に自分が現物切りと合わせ打ちをしてオリている間に他の誰かが放銃してくれることが多い。相手が親の場合、高打点の手が入ってそうな場合、ドラが全く見えていない場合はさらにオリ優先で立ち回る

  • テンパイ濃厚の相手はリーチした相手と同等に扱う。テンパイ濃厚を見分ける分かりやすい基準は鳴きの数で、3-6巡目に3鳴き、7-12巡目に2鳴き、13-18巡目に1鳴きしている相手はテンパイ濃厚。また、ホンイツなどの染め手(萬子、筒子、索子のうち1種類の牌を集める役)を狙っていそうな相手が、今まで温存していた種類の牌を切り始めたらテンパイ濃厚だ。さらに、染め手でもなさそうなのに3-7牌などの強い牌を連続でツモ切りしている相手はテンパイしている可能性が高い

  • 生牌の三元牌や場風牌を後半に切らない。生牌はまだ場に1枚も見えていない牌のことで、後半では生牌の三元牌や場風牌は対子で持たれていることが多い。後半にそれらの牌を引いてしまったら基本的に切らずにオリ、鳴かれて即テンパイされるか最悪ロンされても十分見合う状況でのみ切る

  • 鳴きすぎない。初心者が沢山鳴くと役無しになりがちであり、そうでなくとも防御力が落ちて危険。慣れないうちは鳴きの回数を役の飜数以内に留めるようにする。「何回鳴いても喰い下がりは一定なので、どうせ鳴くなら沢山鳴いた方が得」という発想をすると痛い目を見る(私は沢山見た)。特に喰いタンは中張牌ばかりが残って爆死しがちなので注意

  • 明カンしない。明カンはほぼ全ての状況でリスクリターンが釣り合っていない。一方、待ちが広いリーチ中の暗カンはしてもよい。アガれば裏ドラ含めドラが2種も増え大幅な打点上昇が見込める。嶺上開花がつけばさらに美味しい

  • 連荘を目指す親番の期待値は1000点も無いが、一応は期待値プラスなので連荘にはこだわりたい。悪配牌の場合は喰いタンや役牌などの速くて安い手、好配牌の場合は先制リーチ、流れそうな場合は役無しでいいのでテンパイを目指す。勿論、オリの選択肢は忘れずに

  • 回線落ちしたプレイヤーがいる場合は一刻も早くテンパイする。初心者帯は回線落ちが珍しくなく対策が必須であり、天鳳なら得点が赤文字フォントの状態が続いていれば、雀魂ならアイコンに⚡マークが表示されていれば、そのプレイヤーは回線落ちしてツモ切りを続けている。リーチのみでも喰いタンでもバカホン(混一色だけの手)でも何でもいいのでテンパイすれば、回線落ちからどんな危険牌もこぼれる以上高確率でアガれる。自分が親番になったら連荘でガメて回線落ちをマイナス点にして終わらせるのが理想

  • 観戦機能を使う。強い人の対戦を観戦して、自分なら何を切るか、何が来たら鳴くかを予想しながら見てみよう。自分の対戦を見直して、読みが当たっていたかどうかを確認するのも良い

 

麻雀というゲームの感想

最後に、麻雀を遊んでみた感想を書く。元々ボードゲームは好きなので麻雀に興味はあったが、賭博タバコイカサマのイメージがこびりついていた麻雀はどことなく忌避していて、今回知り合いに直接誘われて初めてプレイした。

最初はあまりに複雑すぎるルールに呆れたが、非合理的な無駄ルールは多くなく、思ったよりも早く遊べるようになるゲームだった。実際に遊んでみると、良ボードゲームによくある要素が随所に入っていることに気付いた。

  • ランダム要素により展開に広がりがあり、リプレイ性が高い
  • 運要素がありながら実力差が出やすい
  • 鳴き、捨て牌読み、ロンなどのインタラクション要素が豊富
  • 鳴きがあるのでダウンタイムが短い
  • ドラというラウンドボーナス要素がある
  • 役作りはソロプレイのパズルとして完成度が高い
  • 4人で行うゲームでありながら、特定の誰かを攻撃しにくく集中狙いやキングメーカー問題を回避している
  • リーチというハイリスクハイリターンの役が頻出するバランスで、メリハリがある展開になりやすい

流石に競技人口が多いボードゲームなだけあって、面白い要素は色々と取り入れられている。オンラインプレイも充実しており、野良で遊ぶにもフレンドと遊ぶにも困らない点もありがたい。

意外に嬉しかった副産物は、麻雀を扱った作品や話が理解できるようになったこと。たとえば以前は意味不明だった神様になった日4話やトネガワ55話やおそ松さん20話の内容が分かるようになったし、Twitterに流れてくる麻雀ネタも理解できるようになった。大げさな言い方をすれば、1つ教養を積めたと思う。

天鳳初段・雀魂雀傑になり、知り合いと一応一通り遊べるようにはなったので、今後は少し密度を下げて麻雀と付き合っていく予定。いつか役満を取ってみたい。

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【追記】

 

*1:経験者に自分の対戦を見てもらうのは一番練習になる。大変な方法だが、是非一度やってみてほしい

*2:出現率の出典は記事投稿時点のこのサイトの金の欄。フローチャート作成はdraw.io、牌画の作成場所はこちら