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ポケモンシリーズ未経験者がPokémon LEGENDS アルセウスをプレイした感想【ネタバレなし】

この記事では、ヒノアラシの進化系すら知らなかったポケモンシリーズ未経験者の自分が、シリーズ最新作のPokémon LEGENDS アルセウスをプレイした感想を書く。なお、ストーリーのネタバレは含めていない(感想は少しだけある)。Ver. 1.0.2をプレイ。

以下は自分のプレイ状況の補足。

  • 図鑑コンプリート、サブ任務全達成、マンテンボシランク到達済 (以降この状態を「ゲームクリア」と呼ぶ)
  • プレイ時間70時間程度
  • ゲームクリアまではなるべく攻略情報を調べずにプレイした  *1 *2

 

 

 

 

 

評価点

自由度の高い探索が楽しい

Pokémon LEGENDS アルセウス(以下アルセウス)では広大な3Dマップを自由に探索して進められる。マップ全てがシームレスに繋がっているわけではないので、ブレスオブザワイルドのようにいきなりラスダンへ突撃…ということはできないが、行動の自由度は高い。ストーリー上達成必須となるメイン任務の目的地は、大抵の場合広大なマップの離れた地点に孤立して置かれており、目的地に行く経路は様々、プレイヤー次第となる。

ときには、目的地アイコンをガン無視して本能の赴くままに明後日の方向へ走り出すのも良い。明らかに通せんぼ目的で設置されている強力なオヤブンポケモンをやり過ごし、草むらで息を潜め、崖や段差を回避や投擲構えで無理矢理登った先には、レベル違いの野生ポケモンがゴロゴロ生息している。通常ならその時点の手持ちポケモンでは手も足も出ないが、後述するアクション要素をフル活用すれば、自分のようなポケモン初心者でも十分捕獲や討伐を狙える。ポーチが一杯になり止む無く帰還する頃には、50種をゆうに超えるポケモンの調査報告をして、多額の報酬を得られるだろう。

このような遊び方をすると、手持ちポケモンが強力になりすぎてストーリー必須のバトルがほぼワンパンになる弊害もあるが、逆に言えばバトルが不得手でも探索次第でどうにでもなるということだ。ゲームのお約束から逸脱するのは楽しいので、是非「初見」のうちに冒険してみてほしい。

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△どこまでも続く美しい空の下を、思いきり走ってみた結果 (既プレイならどの時点のどこの画像か分かるはず)

 

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△見える所全部に行けるわけではないが、大体の所には行ける。探索の感覚はブレスオブザワイルドよりもゼノブレイドに近い

 

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△そのうち解禁されるウォーグルによるポケモンライド。比較的安全な上空から、のんびりポケモンを探すのも楽しい

 

 

アクション次第で捕獲やバトルを有利に進められる

今作アルセウスポケモンという育成RPGに、単純だが確実に面白いアクション要素をバランス良く、違和感のない形で取り入れている。具体的には、ポケモンの攻撃を回避しつつ隙を見て反撃する戦闘要素、草むらや遮蔽物に隠れつつデコイで注意を惹き背後から不意打ちするステルス要素、モンスターボールを遠方のポケモンに命中させるエイム要素が挙げられる。

重要なのは、これらの要素がそれ単体で完結するものではなく、アクションを成功させることで捕獲やバトルを有利に進められることだ。たとえば野生ポケモンに背後からボールをぶつけると捕獲確率を上げたり、その後のバトルで先制攻撃したりできるようになる。自分のようなポケモン初心者でも、工夫して背後からボールを当てられれば強力なポケモンに対抗できる。

△強力なオヤブンポケモンをズリのみ(食べさせると捕獲確率UP)で誘導し、メガトンボール(飛距離が短いが油断したポケモンの捕獲確率高)背面当てで捕獲する動画。テンプレ行動だと知ったのはゲームクリア後。バトルで弱らせる戦術では非常に捕獲し難い相手も、不意打ちなら現実的な確率で捕獲できる

 

 

手持ちポケモンや技の構成を考えるのが楽しい

従来のポケモンと共通の魅力。特に、アルセウス登場するポケモンの種類が多すぎず、バトルに影響する要素が少ないので初心者に優しい。自分はジュナイパーでつばめがえしを連打したり、ガブリアスを特殊技主体で運用したりするなどしていたが、それでもタイプ相性や命中率の考察は楽しめた。ゲームクリア後にポケモンの仕様を調べ、バトルの仕組みを理解した後は手持ちポケモンや技の考察を驚くほど楽しむことができた。

ポケモンは、自身と技にそれぞれ「でんき」「ひこう」のようなタイプを持っている。タイプは全18種類で、各タイプ間には非対称な相性が存在している。攻撃側が使う技のタイプと防御側のポケモン自身のタイプの相性に応じて、攻撃時に与えるダメージが0-4倍の間で変化する。

手持ちのポケモンは6体までに制限されているので、6体のタイプを上手くバラけさせてなるべく多くのタイプに対応しなければならない。この時点でも複雑なパズル要素があるが、実際はこれに加えて各技の命中率、素早さパラメータによる行動順、状態異常、急所、タイプ一致、物理技、特殊技などの要素が加わる。根本的にはじゃんけんを複雑にした読み合いになるが、パラメータ勝負、ターンオーダーや確率管理の要素も追加されている。考慮する要素の数は多いが、個々の仕様はさほど複雑ではないので、初心者でも仕様さえ知ればすぐ考察を楽しむことができる。*3

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アルセウスプレイ中は調べ物をなるべく断っていたので、アクセスが悪く見辛いゲーム内の2分割相性表とは何度もにらめっこするハメになった(今思えばこれくらいはPCやスマホで見ればよかった)。バトル中は各技の有利不利をアイコンで把握できるが、防御面を考える際、初手ポケモンを選択する際や、構成を考える際には必要だった

 

 

その他評価点

野生ポケモンに対する捕獲・攻撃に一応の理由付けがなされた

これは非常に個人的なことだが、ポケモンシリーズに対して前々から感じていた倫理的な抵抗が緩和された。このシリーズでは野生のポケモンを負傷させ強引に捕獲したり、瀕死にして捨て置いたりすることがごく当然に行われるが、そのような行為が正当化される理由は説明されていなかったように思える。*4

アルセウスは「人とポケモンが共に暮らすことも稀な時代」の物語であり、人間を積極的に襲う危険な野生ポケモンや、ポケモンから深刻な被害を受けた人々が頻繁に描写される。実際に主人公がそうするように、ポケモンを捕獲したり討伐したりするのはまず自分の身を守るためで、野生ポケモンを手持ちポケモンの糧にするのも長い目で見れば同じ目的と言えなくもない。効率よく図鑑タスクをこなすために戦意の無いビッパにバトルを仕掛けてオーバーキルするのも、共生に繋がる研究という大義名分のもと行うので罪悪感が小さい。

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△捕獲したポケモンを放牧場に留置することについても一応のフォローがある。こういうのが地味にありがたい

 

野生ポケモンとのバトル中自由に動き回れる

楽しい。バトルを様々な方向から観戦できるし、わざとバトルの間に入って転ばされたり相手ポケモンとツーショットを撮ったりするのも面白い。実用的なメリットもあり、最後の一撃の指示を出した後すぐその場を立ち去れるので効率的だし、逃げる場合はコマンドで逃げるより歩いて離れた方が安全に逃げられる。

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△野生ポケモンとのバトル画面。フィールドの探索からシームレスにバトルに移行し、その後自由に動き回れる

 

人物やポケモンの描写が丁寧

登場人物もポケモンも繊細に描写され、印象に残った。行動に納得がいかないことはたまにあるが、登場人物は見た目も性格も個性的だし、ポケモンは何気ない仕草や行動まで作り込まれていて愛嬌がある。苦労した末に一番好きなポケモンを入手できたときの満足感は大きかった。

 

近場のグラフィックの処理が丁寧

地味な点だが、斜面に立っても自然なポーズを保つ。グラフィックがめりこんだり貫通したりすることも少ない(鉱石などにハマって凄い挙動になることは稀にある)。

 

 

 

問題点

UIが著しく不便(別記事)

アルセウスUIの不快さは常軌を逸しており、全てのゲーム体験を蝕んでいる。決して看過できない問題点だが、詳細が丸々1記事分の分量になってしまったので別記事にまとめた。

 

 

バトルの詳細仕様に関する情報がゲーム内のどこにも無い

自分のようなポケモン未経験者には影響が大きい問題点。前述の通りポケモンバトルの考察自体は楽しいが、ゲームそのものがバトルの仕組みを理解させようとしていない。せっかくの戦略性の高いシステムをただの手数の多いジャンケンのように紹介する上に、各メニューには解説の無い用語を頻用している。具体的には、バトルに関わる以下の要素の説明が無い。*5

  • PP
  • 物理技・特殊技
  • 攻撃・特攻・防御・特防
  • 性格
  • タイプ一致
  • 種族値

以上を把握しなくてもゲームクリアはできるが、自分はこれらの仕様を理解した方が圧倒的に面白くなると感じた。アルセウスに限らず伝統的にポケモンシリーズはバトルの細かい仕様を説明しないらしいが、そのような不親切な伝統は継承しない方がいいと思う。別にチュートリアルに入れなくてもよいので、調べようと思えばゲーム内で調べられるようにしてほしい。

また、「めいちゅう」パラメータの仕様にも引っかかった。これは命中率を示したパラメータだが、めいちゅう100の技でも状況次第で命中率が下がり、外れることがある。一方で、技の説明に「必ず命中する」と書かれた技は状況にかかわらず必中する。誤解を招く表記なので、「当たりやすさ」等の表記に変えた方が良いと思う。

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△手持ちポケモンの技説明欄。「ぶんるい」の下にある三重丸は特殊技のアイコン。こんなもの分かるわけがないが、アイコンの説明も特殊技の説明も一切無い。そしてこの技は「めいちゅう」欄が100、つまり命中率100%だが、前述の通り必中を意味しない

 

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△早業と力業の説明欄。PPは技の使用回数のことで、説明一切なしに他項目に登場する。ある程度プレイすればほぼ確実に分かるとはいえ雑な構成だと思う

 

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△能力値レーダーチャート。各パラメータの横にある赤青の矢印は性格による補正を示しているが、とくこうやとくぼうが何を意味するか含め、見事に説明は無い。補正が性格に起因していることすらゲーム内では自明でない

 

 

ポーチ整理のため探索を中断するのが煩わしい

ポーチと道具箱はバイオハザードのインベントリとアイテムボックスのようなシステムで、ポーチのアイテムはどこでも使用できるが厳しい所持種類数上限があり、道具箱には格納数上限が(実質)無いが、道具箱の付近でしかアイテムを出し入れ・利用できない。

問題だと思ったのは、ポーチ整理のため頻繁に道具箱に立ち寄る必要があり、せっかくのオープンワールドの自由な体験に水を差される点。しかも、元々ポーチの1スロットには同じアイテムが数百個入る上に、定期的にポーチのアイテムをXボタンでチマチマ道具箱に収納すればアイテムのロスは生まれにくいので、テンポを悪くしているだけでゲームバランス上の制約としてあまり機能していない。*6 *7

せっかくのクラフトシステムも、ポーチに入る素材種類数の制約が厳しいせいで、道具箱に立ち寄って行うことがほとんど。煩わしいため、資金が潤沢になってからは店でアイテムを買い揃えて済ませるようになった。いっそ、道具箱とポーチ上限を撤廃し、投げ物スロットを新設してアイテムを装備していくシステムにするのがよいと思った。元々ポーチ・道具箱システムはゲームバランス的には大して制約を与えていなかった所なので、このシステムでもゲームは破壊されないと考えている。 *8

 

 

その他問題点

野生ポケモン
時空の歪みガチャの待ち時間が長い

一部の野生ポケモンを捕獲するための時空の歪みガチャが退屈だった。時空の歪みを発生させるには数十分程度待つしかなく、時空の歪み内で目当てのポケモンが出なかった場合、また数十分程度待つことになる。ポケモンは過酷な厳選作業があるゲームとは聞いていたが、対戦と関係ない図鑑埋めで苦行を要求してくるとは思わなかった。*9

 

フィールド上の野生ポケモンの強さが世界観と合っていない

ポケモンの脅威を強調する割にどの野生ポケモンからも簡単に逃げられるため、世界観にイマイチ合っていない。アヤシシライドでダッシュしても十分撒けるし、適当なポケモンを出してバトル中に徒歩で離れれば確実に逃げられる。ついでに言えばどろだんご数個を投げつければスタンするし、攻撃もさほど避け辛いものではない。

個人的には、行動不能になったときのペナルティを減らした(自分の落とし物を自分でも拾えるようにするなど)上で、もっと逃げられない調整にした方が世界観に合うと思う。

 

団員ランクが上がっても低レベルの野生ポケモンが襲ってくる

団員ランクが上がって高レベルポケモンに指示できるようになっても、レベル1桁の野生ポケモンがマップ上で常に攻撃を仕掛けてくる。これは単純に煩わしいし、不自然でもある(見境なく喧嘩を売る弱い生物がなぜ繁栄できるのか?)。図鑑が完成したポケモンや格下ポケモンは攻撃してこなくなるような、ゼノブレイド的な調整が欲しかった。 *10

 

一部のポケモンの進化条件が、図鑑のヒントを加味しても導けない

一部のポケモンは特殊な進化条件を持っている。大抵は図鑑にヒントがあるが、重要な条件が図鑑のヒントから抜け落ちていることがあり、中途半端にヒントを信じると徒労を重ねる。せっかく多数のサブ任務があるので、誘導に従って進化条件を解き明かすものがあっても良かったと思う。

 

 

ポケモンライド
イダイトウ以外のポケモンライド中に物を投げられないし、ZL注目もできない

探索のテンポを大きく悪化させる不便仕様。アルセウスでは木の実や鉱石の採集をポケモン入りのボールを投げて行うので、この制約のせいで頻繁にライドを解除しなければならない。*11

また、ライド中に図鑑は開けるのにZL注目ができないせいで、いちいちライドを解除するか、図鑑の貧弱な絞り込み機能を用いて目的のページを探す必要がある(注目中のポケモンの図鑑ページはすぐ開ける)。イダイトウでは何の問題もなく採集もバトルもZL注目もできるのだから頑張ってほしかった所。

 

ウォーグルの上下方向の移動が大きく制限されている

ウォーグルは飛行できる最も便利なライドポケモンだが、任意に上昇できず、急降下コマンドは斜め下に移動するせいで使い所が少なく(下降時はライド解除の方が効率的)、飛べる割に不便になっている。UIの記事でも触れたが、暴発しやすいオオニューラをライドポケモンから削除した上で、ウォーグル使用中のAボタンに「上昇」を割り当て、急降下の角度をもっと急にした方がいいと思う。ウォーグルが任意に上昇できればオオニューラで崖など登る必要が無いし、このゲームには宙に浮く足場など無いから不都合も生まれない。*12

 

 

コトブキムラ
調査報告してコトブキムラに戻らないと別地域に移動できない

ゲームを進めると複数の地域を探索できるようになるが、毎回調査報告とコトブキムラを経由しないと別地域に行けず、本来の約2倍のロード時間に何度も苦しむことになる。せっかく全域マップがあるのだから、そこでファストトラベルできるようにしてほしかった。

 

拠点なのに主要施設が離れすぎていて不便

下画像で示すように、コトブキムラのよく利用する施設はそれぞれ離れすぎている。コトブキムラの中ではポケモンライドできない点、コトブキムラの中でも最大で10秒程度しかダッシュできない点、放牧場前にファストトラベルできない点を合わせて、屋根すら無いベースキャンプよりも明らかに不便になってしまっている。

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△コトブキムラマップ。画像はこちらから引用(トリミング・赤丸はこちらで加えた)。赤丸で示した部分がコトブキムラで頻繁に利用する施設であり、それぞれ大きく離れている

 

室内・室外を行き来するときロードを挟む

これはコトブキムラに限ったことではないが、入室も退室もロードのせいで4秒程度かかるため建物との行き来が煩わしい。たまに興味深い会話も聞けるのに探索意欲が削がれる。

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△コトブキムラだけでなく、村の扉っぽい所には大体入ることができるが、入るのに4秒、出るのにも4秒かかるのでサブ任務以外でなかなか行く気にならない。扉の数もやたらと多い

 

 

サブ任務
ポーチ内のアイテムしか渡せず、道具箱内のアイテムを渡せない

一部サブ任務ではアイテムの受け渡しが発生するが、ポーチ内のアイテムしか渡せない。ポーチの制約が影響するような辺境の地で受け渡しを行うサブ任務など無いので、面倒なだけの無駄な仕様。受け渡しのシーンで毎回挟まる鬱陶しい授受モーションとの整合性を取ろうとしたのかもしれないが、モーションの方を削れば済む話。

 

掲示板で受注後、発注者に直接話を伺いに行くサブ任務が大量にある

完全に二度手間。ギンガ団本部掲示板の「詳細は直接話す」旨が書かれた張り紙を見た後ヒアリングに行き、「あんたが引き受けてくれたのか!」と言われるやり取りを何度したことか。最初から発注者本人にサブ任務アイコンを立てて受注させてほしい。

このように、サブ任務は任務「以外」の部分が煩わしいものが多い。ポケモンとの共生が進む演出の一端を担っているだけに勿体ない。

 

 

ストーリー・登場人物
アルセウスを好きになれない

ストーリーは描写不足で、すっきりしない展開が多いと感じた。ネタバレ防止のため具体的には書かないが、肝心のアルセウスというポケモンに全く好感が持てなかった。また難易度調整のためかもしれないが、「ボス戦」でダッシュできない点は不自然だと感じた。

 

ライバルキャラの存在感が少し薄い

序盤を過ぎるとライバルキャラの影が薄くなっていく。同じ組織に属しているはずなのに妙に別行動が多く、背景は明らかにされず、拠点のコトブキムラでもイベント中やバトル中にしか見かけない。ポケモン過去作のライバルキャラも似たような立ち位置なのだろうか?(追記 Ver. 1.1.0のアップデートで緩和された)

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△時空の歪み調査に来たショウ先輩(左。ライバルキャラ)。しかしこの後もその場に留まり、時空の歪み発生中も特に反応は無い。何しに来たんだろう…

 

 

 

総評

従来の育成RPGに探索やアクションの要素を実に上手く取り入れた作品で、総合的には良作と感じた。もしブレスオブザワイルドやゼノブレイドのような探索が好きならとりあえず楽しめると思う。ポケモン知識が多少不足していても大きな問題はなく、探索とアクション次第でカバー可能。加えて、愛嬌のあるポケモンを育てるのはそれだけで楽しいし、タイプ相性を考えて構成を練るのも面白い。

しかし、残念ながらUIは著しく不便で、新規ユーザー向けにあってしかるべき説明はことごとく欠けている。実際に自分がそうなったように、ポケモンシリーズ未経験者が攻略情報に頼らず進めると間違いなく戸惑う。謎のアイコンや用語は、どうせゲーム内では説明されないのですぐ調べた方がよい。UIはどうしようもないが、説明不足はリアルの調査で一度補えばそれまでの話だ。

色々気になる点や不親切な点はあるものの、探索やアクションの要素で非ポケモンゲーマーにも門戸を開いた作品であることは間違いなく、自分のポケモンデビュー作として十分なゲームだったと思う。ポケモンシリーズを遊んだことがない人も是非手に取ってほしい。

 

 

 

補足

ポケモンシリーズを遊んでこなかった理由

「縁がなかった」からとしか言えない。自分は物心がついてからずっとゲームをしているが、幼少期から周囲にポケモンプレイヤーが少なかった。スマブラと違い友人宅で「とりあえず遊んでみる」ことができるゲームでもないため、あまり興味を持つ機会もなくそのまま疎遠になってしまった。

従来の作品とは一線を画するPVを見て興味を持ちアルセウスを購入したが、結果的にこの選択は大正解だった。

 

知識・立ち回りの変遷

ゲーム経験はあるがポケモン経験は無いプレイヤーが、アルセウスをプレイするとどのような方針で動いていくのか?あくまで自分の例だが以下に示す。

ゲームプレイ前

今作御三家の進化系もひこうタイプが何に有利かも知らないレベル。スマブラに出てくるポケモンですら、アイテムから出てくるポケモンは覚束なかった。

タイプ相性説明後

ひこうタイプが何に有利かようやく知る。鳥好きなので最初のポケモンモクローを選択。ポケモン入りのモンスターボールを「ポケモンボール」と呼ぶことを初めて知る。

序盤

とりあえずタイプを散らして手持ちポケモン6体を揃える。PPが何を意味するか把握し、徐々にタイプ相性を覚えてきて、たとえばむしタイプっぽいポケモンに初手でギャロップを出すような"被せ"が出来るようになってきた。しかし何も考えず有利タイプ技をパなすせいで、捕獲するつもりの相手を倒してしまう事態も頻発した。

中盤

捕獲のために「でんじは」を使ったり、命中率を考慮して技を選択したりできるようになった。1手損の影響が大きいゲームと気付きタイプ相性の次に命中率を重視するようになる。その結果ジュナイパーでつばめがえしを主体とするなどの弊害が生まれた。

背面当てのルーティンは確立していたのでレベルの高いポケモンは手持ちに揃っていたが、ここで技の伝授にハマり不利相性を潰せるような技を覚えさせるようにしていた。しかしタイプ一致の仕様を知らず、パラメータもあまり見ていなかったので、ガブリアスかえんほうしゃがレベルの割に弱いことを不思議に思っていた。なお、みねうちの存在に気付いたのはゲームクリア後だった。

終盤

ようやく早業力業の使い所が分かってくる。素早さパラメータが最重要と信じ、貯め込んでいたがんばり系アイテムは素早さ優先で注ぎ込んだ。しかし種族値を知らず、ジュナイパーの素早さががんばレベルMAXで221しかないのを不思議がっていた。

Twitterで攻撃や特攻の説明をフォロワーからリプされていたことを思い出して手持ちポケモンを見直し、ガブリアスの性格がおだやかだったりグレイシアの性格がわんぱくだったりと長所と合っていないことに気付く。ミントとがんばり系アイテムで矯正を進める。

注釈に書いたように、一部収集要素は分からず攻略情報に頼ってしまった。最後は例のポケモンを入手すると同時に図鑑が完成し、その後適当に大量発生したポケモンを捕まえまくってマンテンボシになった。*13

 

旅パ紹介

ゲームクリア時点で以下のようなパーティーになった。防御面が微妙な感じがしつつも最初から連れ添ったジュナイパーと、個人的に好きなポリゴンZを入れた上で、レベルが高く相性補完できそうなポケモンを入れたらこうなった。なお、捕獲したい相手には後半3体の自バフ敵デバフで遅延しつつハイパーボールを投げていた。*14

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*1:攻略情報に頼ってしまったのは、一部のポケモンの進化条件(9体くらい)、一部のともしびの位置(計15箇所くらい)、アンノーン文字の読み方、一部のアンノーンの位置(計2箇所)、時空の歪みに登場するポケモン写真屋サブ任務の発生条件。その他Twitterのリプライで直接自分に送られた情報は参考にした

*2:コンプリート達成者には引っかかる記述かもしれないが、「そのようなもの」は除いた上でのコンプリートである

*3:ちなみに、6タイプだけでは攻撃時にタイプ一致効果抜群をつけられない相手タイプが少なくとも1タイプ残る。詳細はこちら参照

*4:倒した野生ポケモンは捕獲できず消失することを考えると、描写をマイルドにしているだけで実は殺しているのではと心配になる。アルセウスでは「死」を含む単語が頻出するだけに余計に気になってしまう

*5:単に自分が見逃しているだけだったら申し訳ないが、表記を簡略化するため自分が見つけられなかった=無いものとして扱っている

*6:アルセウスのゲームジャンルには諸説あるだろうが、オープンワールドのwikipediaにはきっちりアルセウスが載っているので、この記事ではオープンワールドとして扱う

*7:オレンのみとズリのみだけで何とかなるバランスも問題だが、せっかく多種類用意されている木の実やよせだまも、ポーチを圧迫するせいでほぼ道具箱で眠っていた

*8:こうすればポーチ拡張のために空間を司る神シュウゾウに何度も話しかけなくて済む。自分はポーチ拡張にかかる金額よりも1スロットずつしか拡張できない仕様に辟易した

*9:ゲームクリア後に知り合いから教えてもらった情報によると、ウォーグルで壁に向かって10分ダッシュし続けると時空の歪みが発生するらしいが、検証していない

*10:団員ランク繋がりで言うと、バトルで指示を聞かない高レベルポケモンが、アイテム回収には全力で協力してくれるのも不自然に感じた

*11:ウォーグルライド中にボールをポイポイ投下するのもどうかと思うが、上空の被発見率を上げたり捕獲率を下げたり、ある程度落下したボールは無効にするなどの調整をしてほしい

*12:こうするととある人物が不憫になってしまうが…

*13:ちなみに最後のポケモンの1つ前に入手したポケモンマニューラだった。理由は既プレイなら想像がつくと思う

*14:ちなみに、ゲームクリア後に組み直したパーティーもある。ポケモン経験者にタイプ一致技や種族値の存在、ジュナイパーの弱さについて教えてもらい自分で組み直した。アルセウスは複数の敵を同時に相手する展開が多いので、弱点相性を突かれにくい単タイプは意図的に残した